小さいころから飲み続けて大丈夫? 発達に凸凹のあるこどもへの投薬

発達障がいといわれる子どもが増えている、と言われています。
本人やその保護者が困っていなくても、教員や同級生の保護者から、「早く支援した方がその子のため」と、精神科などを受診するようすすめられる例もあるようです。
11月9日に多摩北エリアの生活者ネットワークで、小児科医であり児童精神科医である石川憲彦先生をお招きして標記の学習会を開催しました。以下ポイントです。

①発達障がいに対する根本的な治療薬はない。あくまで対症療法として向精神薬が使用されている。

②多動で困るのは10歳くらいまで。12歳未満は原則、薬は使わない。使う時にはいつやめるかを明示しできるだけ短期間に。

③ただし、命にかかわる事態は別。交通量が多い道路に飛び出す、線路に入り込むなど薬と事故のどちらがリスクが高いかの判断をする。

④発達障がいは現代社会がつくり出したもの。昔なら子どもなら「しょうがないわね」ですんだ場面が今は許されない。不寛容な社会が、命にかかわる問題でないところで薬を使うか使わないかの議論をしている。

 46年の臨床経験を持つ先生のまなざしは、子どもにも親にも温かかったです。